従業員のスーツの襟部分につける、企業のシンボルとなっているマーク・ロゴのことを「社章」と言います。
古くから社章バッジはただ身につけるというだけでなく、会社・団体といった帰属意識・団結力といった意味を込めて使用されることが多いと言われています。
また、近年ではCI(コーポレート・アイデンティティ)、VI(ヴィジュアル・アイデンティティ)の一環により、企業・団体のイメージ戦略をデザインとして表したものとして使用される場合もあります。
そんな社章バッジとは一見混同されがちなものとして、徽章(きしょう)や記章(きしょう)などが存在します。
これら2つは社章バッジとは異なるものですが、どのような違いがあるのでしょうか?
本記事では社章バッジコラムとして、社章とは違う「記章」とはどのようなものであるのかについてご紹介していきます。
記章とは?
記章とは、イベント・式典記念に贈られる記念の「しるし」のことです。
具体的なものとして例を挙げるとすると、記念バッジや入学式・卒業式のリボン記章といったものがあります。
また「記章」と混同されがちな言葉として「徽章」が挙げられ、この両者の垣根は現在でも曖昧なものとなっています。
しかし、実際には「徽章」よりも「記章」という言葉を耳にすることが多いのも事実です。
「徽章」の「徽」が常用漢字として含まれていないので、法令では「徽章」も「記章」として用いられることが多いのです。
ただ「徽章」と「記章」では、本来の意味は変わってきます。
その違いについて確認してみましょう。
徽章
徽章は身分・職業・資格・所属といったものを表すバッジとして知られています。そしてこのバッジは、帽子・衣服といったものに身に付けて使用するものです。
記章
一方で、記章は前項でも少し触れたように、本来は記念やイベントごとで与えられる「しるし」のことを指します。
ただ「徽章」の意味も含めて「記章」と表記されるものでもあるため、現代では徽章の意味も含んでいる言葉ともなっているのです。
また近年では、国連が主導する持続可能な開発目標として、「SDGsバッジ」を身に付けている人もいます。
記章は寄付・業績を記念として贈られたり、職業・階級・身分を示したり、区別したりするためにつけられることもあります。
帽子・衣服につけるバッジ・ワッペン・メダルといったことを指す場合もあります。
骨董価値の高いものとしては、旧日本軍・昔の赤十字などの記章があります。何かを示す「しるし」として古くから日本で作られ、親しまれていました。
社章バッジとの違い
社章バッジは身分では無く、会社の一員であることを示しています。
一般的に会社名や企業ロゴなどのデザインが施されており、一目見ただけでもその会社の社員であるということが分かります。
身分証明書の代わりとして活用されていましたが、近年では社章バッジではなく、カードタイプを身分証明書として採用している企業もあり、その活用方法も会社によってはさまざまなのです。
部署・階級といったものによりデザインが異なることもあり、徽章のような意味を含んでいる場合も多いものです。
おわりに
本記事では社章バッジコラムとして、社章とは違う「記章」とはどのようなものであるのかについてご紹介しました。
表記の都合上、記章は徽章と同じ意味として認識されているのですが、実際には元々別物であるということが分かっています。
本来の意味をきちんと把握したうえで使用する言葉、そうではない言葉では本来の意味を知っておく方が安心だと言えます。
ぜひ当記事を参考にして、「徽章」と「記章」の区別をつけられるようにしてみてくださいね。